2015年09月17日

『ランド』第一巻

以前見たNHKの『浦沢直樹の漫勉』という番組で、漫画家の山下和美さんが、漫画制作の様子やインタビューなど取材を受けていらっしゃいました。(漫勉は、今月から新シリーズが始まりました!)
その時、描いておられたのが『ランド』。
あるカットを描くのに、かなりの時間をかけ、こだわり抜いて悩みながら描く様子が映し出され、創作することの大変さが伝わるシーンでした。
それでこの作品に興味を持ち、図書館へ予約。けっこう待ちましたが、ようやく読めました。
手に取ってみると、普通のコミックスの1.5倍ほどの分厚さです。

003.JPG

『ランド』@(山下和美 講談社モーニングKC)

舞台は周囲を山に囲まれたとある村。
着衣などから、明治時代?の日本のどこかの村ではないかと思われました。

ずっと受け継がれてきた風習を守り、50歳になると「知命」を迎え、山の向こう「あの世」へ葬られるという。儀式や祭りでは、獣の皮を被った役人たちがすべてを取り仕切り、東西南北には四ツ神様が村人を見下ろす村・・・それが村人たちにとっての「この世」なのです。

この村の少女・杏(あん)は好奇心旺盛で、何にでも興味や疑問を持ち、とりわけ山の向こう側「あの世」が気になるのでした。

杏を中心に、周囲の大人たちの言動、山での新たな出会いなど、第一巻は序章に過ぎませんでした。
いかにこの村が閉鎖的であるか、生贄や知命などの風習を人々が信じて疑わない様子など、違和感を感じながら読み進めた先に、驚きの展開が待っていました。
終盤のシーンで、読み手は鳥肌が立つような光景を、杏とともに目撃することになります。


ベテランらしい安定のストーリーと筆、そして驚きが、読み手を世界へ引き込んでいきます。
二巻以降の展開がカギとなりそうな漫画ですよ。
裏表紙に「山下和美が抱く、日本という国への不安。」を描くとあります。
現代社会の不安や閉塞感を、作者がどのようにフィクション仕立てに描くのかが楽しみな漫画です。

広島ブログ
posted by maco at 20:15| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
広島ブログ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。